看護師の退職理由ランキング|面接で好印象な伝え方と例文5選

看護師の退職理由で最も多いのは「人間関係の問題」で、全体の26.2%を占める(日本看護協会「2023年 病院看護実態調査」)。次いで「夜勤・長時間労働」18.4%、「ライフステージの変化」15.7%と続く。同調査では正規雇用看護師の離職率は11.8%。約9人に1人が毎年職場を離れている計算になる。ここでは退職理由トップ5の実態と、面接で好印象を与える「前向きな言い換え」を具体例つきで整理した。

目次

看護師の退職理由トップ5は?——データで見る実態

1位:人間関係(26.2%)

上司や先輩との関係、パワハラ、派閥——看護師の退職理由で圧倒的に多い。日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査(2022年)」では、職場でハラスメントを経験した看護師は45.1%。閉鎖的な病棟環境で一度関係が壊れると逃げ場がない。

2位:夜勤・長時間労働(18.4%)

日本看護協会のガイドラインでは「夜勤は月72時間以内」を推奨しているが、実態は月平均77.6時間(日本医療労働組合連合会調査、2022年)。月8回以上の夜勤、慢性的な残業、勤務間インターバルの不足。身体が悲鳴を上げて辞める人は多い。夜勤の限界年齢についてはこちらも参考に。

3位:ライフステージの変化(15.7%)

結婚、出産、育児、介護。人生の転機に勤務形態が合わなくなる。厚生労働省「令和4年雇用均等基本調査」では、看護師を含む医療・福祉分野の育児休業取得後の復職率は約85%。しかし復職しても夜勤との両立が物理的に不可能になるケースは多い。

4位:キャリアの行き詰まり(12.8%)

「同じ病棟で同じ業務の繰り返し。成長している実感がない」。経験年数3〜5年目に多い。日本看護協会のクリニカルラダー調査(2023年)では、レベルIII(一人前)到達後にキャリア停滞を感じる看護師が43%。辞めたいというより、次に進みたい。目標管理シートの書き方を見直すことで、現職でのキャリアの方向性が見えてくることもある。

5位:給与への不満(9.6%)

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では看護師の平均年収は約508万円。全産業平均(国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」で約458万円)よりは高いが、夜勤手当を除くと基本給は月額27〜30万円程度。仕事量に見合わないと感じる人は少なくない。ただし、給与だけで辞める人は少ない。たいてい他の不満と重なっている。

面接での退職理由はどう言い換える?——5パターン

人間関係 → チーム環境への希望に変換

本音: 上司のパワハラが辛くて辞めた

面接では: 「チームで意見を出し合いながらケアの質を高められる環境で働きたいと考え、転職を決めました。前職でもチーム医療を大切にしていましたが、より風通しの良い環境で力を発揮したいと思っています。」

前の職場を批判しない。「もっと良い環境で」という方向に持っていく。

夜勤の負担 → 長く続けるための判断に変換

本音: 月9回の夜勤で体を壊しかけた

面接では: 「看護の仕事を長く続けるために、自分の体力や生活リズムに合った働き方を見直したいと考えました。日本看護協会が推奨する月72時間以内の夜勤体制で、質の高いケアを提供し続けたいです。夜勤勤務で培った急変対応力やアセスメント力は、新しい環境でも活かせると考えています。」

「逃げ」ではなく「長く続けるための前向きな選択」。ここがポイント。

ライフステージ → 働く意欲とセットで伝える

本音: 子育てと夜勤の両立が無理だった

面接では: 「出産を機に勤務形態を見直す必要がありました。育児と両立しながらも看護師として成長し続けたいと考え、御施設の日勤常勤制度に魅力を感じています。」

ライフステージの変化は正直に伝えてOK。その上で「働く意欲」を明確にする。

キャリアの行き詰まり → 次のステップへの挑戦に変換

本音: 同じ業務の繰り返しで成長を感じられなくなった

面接では: 「急性期病棟で4年間の経験を積む中で、退院後の患者さんの生活に関心を持つようになりました。年間約150名の退院支援に関わった経験を活かしつつ、看護の幅を広げたいと考えています。」

「飽きた」じゃなく「次に進みたい」。成長意欲に変換する。

給与 → 待遇+キャリアの両面で語る

本音: 基本給が月27万円で生活が厳しい

面接では: 「自分のスキルや経験に見合った評価を受けられる環境で、より高い目標を持って働きたいと考えました。待遇面だけでなく、御施設の教育体制やキャリアパスにも魅力を感じています。」

給与だけを理由にしない。「待遇もキャリアも」の両面で志望していると伝える。

退職理由の言い換え早見表——コピペで使える

本音の退職理由 面接での言い換え例
上司のパワハラ 「チームで協力しながらケアの質を高められる環境で働きたい」
夜勤がきつい 「看護を長く続けるために、自分に合った勤務形態を選びたい」
子育てとの両立が無理 「育児と両立しながらも看護師として成長し続けたい」
成長できない・飽きた 「○○の経験を活かしつつ、看護の幅を広げたい」
給料が安い 「スキルに見合った評価を受けられる環境で目標を持って働きたい」
残業が多い 「ワークライフバランスを保ちながら質の高い看護を提供したい」
医師との関係が悪い 「多職種が対等に意見を言い合える環境で力を発揮したい」

ポイントは3つ。前の職場を批判しない。「逃げ」ではなく「前向きな選択」にする。志望先で何をしたいかにつなげる。

転職回数が多い場合はどう伝える?

看護師の転職は珍しくない。日本看護協会の調査(2022年)では正規雇用の離職率は11.8%で、3年で約3人に1人が職場を変えている計算になる。ただし、面接官が気にするのは回数そのものではなく「この人はうちでも辞めるのか」。

2〜3回の転職: 各職場で「何を得たか」を整理して伝える。「急性期で急変対応を学び、回復期で退院支援の経験を積みました。次は在宅まで見据えた看護がしたい」。一貫した軸が見えれば、転職回数は問題にならない。

4回以上の転職: すべてを説明する必要はない。直近2〜3回の転職に絞り、「なぜ御施設なら長く働けると考えたか」を具体的に語る。勤務体制、教育制度、理念——志望先を選んだ理由の解像度が高いほど説得力が出る。

転職回数を気にして「もう少し我慢すべきか」と悩む人は多い。でも合わない環境で消耗し続けるよりも、自分に合う職場を見つけるほうが長い目で見れば正解。大事なのは、次の職場で「なぜここなのか」を言語化できるかどうか。

面接で絶対にやってはいけないことは?

前の職場の悪口。 どんなに辛い経験をしても、面接で前職を批判した時点でマイナス。「うちに来ても不満を言うんだろうな」と思われる。看護roo!の採用担当アンケート(2023年)では、不採用理由の2位が「前職への不満が目立った」(31%)。

嘘。 面接官は何百人もの看護師を見てきている。作り話は見抜かれる。事実を前向きに言い換えることと、嘘をつくことはまったく違う。

「特にありません」。 退職理由がないのに転職する人はいない。答えないのは不信感に直結する。

退職理由は「武器」にできる

伝え方次第で、退職理由は「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるチャンスになる。本音をそのまま言うのではなく、前向きな転職理由に変換して、志望先で何をしたいかにつなげる。

伝え方に迷ったら、一人で悩まず相談してほしい。

よくある質問

Q. 退職理由は正直に話すべき?嘘をついてもバレない?

正直に話すべき。ただし「事実の前向きな言い換え」と「嘘」は別物。「パワハラで辞めた」→「チームで協力しながら看護の質を高められる環境を求めた」は言い換え。「人間関係は良好でした」は嘘。面接官は年間数十〜数百人の看護師と面接しており、作り話には敏感。事実をベースに、志望動機につながる形で伝えるのが鉄則。

Q. 短期間(1年未満)で退職した場合、どう説明する?

事実と理由を簡潔に伝えた上で、「次はどんな環境で長く働きたいか」を具体的に語る。例:「入職後に夜勤体制が募集要項と異なることがわかり、長期的に働くことが難しいと判断しました。御施設の○○という勤務体制なら、腰を据えて看護に取り組めると考えています。」日本看護協会の調査では、新卒看護師の1年以内離職率は8.6%(2022年度)。短期退職は珍しくないが、「次はここで長く働く」という意思を示すことが重要。

Q. 退職理由を聞かれなかった場合、自分から話すべき?

話す必要はない。ただし志望動機の中に退職理由が自然に含まれているのが理想。「病棟経験を活かして在宅看護に挑戦したい」と言えば、退職理由(病棟から出たい)と志望動機(訪問看護に進みたい)が一体で伝わる。聞かれなかったのは、履歴書や職務経歴書から面接官が既に把握している可能性が高い。

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この記事の監修者
株式会社じょいなす 代表取締役 / 臨床工学技士
元臨床工 学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。年間300人以上の面談を 代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。
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この記事を書いた人

元臨床工学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。年間300人以上の面談を代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。

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