看護師が「辞めたい」と思ったときに読む記事

「辞めたい」と感じたときは、退職届を書く前に、つらさの中身を分けて、辞めなくても動かせるものがないかを確かめるのが先です。そう感じること自体は、弱さではなく、仕事に真剣に向き合ってきた結果でもあります。

日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」では、正規雇用看護職員の離職率は11.3%(2023年度)でした(一次資料)。夜勤明けの帰り道やナースコールが続いた日、理不尽に叱られた日に、「辞めたい」が頭をよぎったことがあるかもしれません。

この記事では、つらさの分け方、辞める前に試せること、辞めた後の働き方の選択肢、相談先を順に整理します。続けるか変えるかを決めるのは、読んでいるあなた自身です。

つらさの正体は、どう分けて考える?

人間関係、業務量と夜勤、キャリア、プライベートとの両立の4つに分けると、何が負担の中心かが見えやすくなります。

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漠然とした気持ちのままだと、「全部いやだ」と感じてしまいがちです。実際には複数の要因が重なっている場合もあり、中心にあるものによって打てる手が変わります。

人間関係

特定の上司や先輩との関係なのか、病棟全体の雰囲気なのかで、考え方が分かれます。前者なら異動や配置転換で変わる余地があり、後者なら職場そのものを見直す理由になります。

業務量と夜勤

慢性的な人手不足や夜勤の多さ、休憩が取れない状況は、個人の努力だけでは動かしにくい部分です。環境を変えることが答えになる場合もあります。

キャリア

「このまま同じ仕事を続けていいのだろうか」という漠然とした不安は、職場への不満というより、方向性を整理したい気持ちのあらわれかもしれません。

プライベートとの両立

育児や介護、自分の健康が理由になることもあります。看護の仕事は好きでも、今の暮らしに勤務形態が合わなくなっていることがあります。

辞める前に、試せることはある?

異動や夜勤回数の相談、まとまった休みを取ることなど、辞めずに状況を動かせる手があります。ただし、試した結果、合わないと分かったなら、環境を変える選択も同じ重さで考えてよいものです。

異動を申し出る

病棟が合わないだけなら、同じ病院の別の部署で続けられるかもしれません。師長や人事に相談してみる価値はあります。

夜勤の回数や勤務形態を相談する

施設によっては、夜勤回数の調整や日勤のみの配置が可能な場合があります。伝えなければ事情は分かってもらえないので、希望と理由を整理して話してみてください。

まとまった休みを取る

疲れ切っているときの判断は、後から違って見えることがあります。有給を使って離れる時間をつくり、落ち着いた状態で考え直す方法もあります。

心身がつらいとき、どこに相談できる?

不調が続いているなら、職場の外の窓口や医療機関に相談できます。決断を急ぐ必要はありません。

厚生労働省「こころの耳」は、うつ病を「症状が2週間以上継続することにより、従来の社会生活が困難になる状態」と説明しています(一次資料)。ご自身の状態がこれにあたるかどうかは、私たちには判断できません。気になる場合は、医師など専門家に確かめてください。

職場でのいじめやパワハラが背景にある場合も考えられます。日本医療労働組合連合会「看護職員の労働実態調査」(2022年)では、パワハラを受けたことが「よくある」「ときどきある」と答えた人が計34.5%でした(一次資料)。上司に伝えても変わらないなら、厚生労働省の総合労働相談コーナーが使えます。予約不要で、利用は無料です(一次資料)。

辞めると決めたら、どんな働き方がある?

看護師の資格は、病棟以外の場でも使えます。ここでは4つの働き方の特徴と、選ぶときに確かめたい点を並べます。並びは優劣ではなく、夜間の当番がある職場から順にしています。どの働き方にも、先に知っておきたい負担があります。

訪問看護

利用者さんのご自宅に伺い、一人ひとりと関わります。日勤が中心ですが、急変時の初動を一人で担う場面があり、夜間はオンコール(自宅で待機し、緊急時に対応する当番)があります。月の呼び出しの回数はステーションで違うので、面接で実績を確かめてください。

老健・特養・グループホーム

入所者さんと長く関われる職場です。一人夜勤など、判断を一人で担う場面があります。夜勤の人数や回数は施設によって違うので、面接や見学の段階で確認してください。

クリニック・外来

土曜診療のある院や、残業が多い院もあります。スタッフが少人数のぶん、人間関係に左右されやすい職場でもあります。診療日や残業の実態は、数字と実際の様子の両方で確かめましょう。

健診センター・デイサービス

健診センターは給与が低めで、キャリアの幅が狭くなりやすい職場です。デイサービスは医療の手技が落ちやすく、給与も低めです。仕事の内容と待遇を並べて、ご自身の希望に合うかを見ます。

どの働き方が合うかは、つらさの中心が何だったかで変わります。夜勤が負担なら勤務時間帯、人間関係なら職場の規模や人数、というように、先ほど分けた4つの軸に戻って考えると選びやすくなります。

この整理が当てはまらないのは、どんな人?

今すぐに安全や健康を守る必要がある状況では、ここで書いた順番を待たなくて構いません。

たとえば、ハラスメントを受け続けている、体調がすでに崩れている、といった場合です。異動や夜勤の相談を一つずつ試す前に、休むことや外部の窓口を使うことを先にしてください。

また、地域や職場の事情で、異動先も夜勤の調整もそもそも選べない職場もあります。その場合は「試してから決める」の手順が成り立たないので、環境そのものを見直す選択が現実的になります。逆に、つらさの原因が一時的な繁忙や人員の入れ替わりにある場合は、時間が解決する部分もあります。どちらに近いかは、職場の状況を一番知っているご自身にしか見えない部分です。

よくある質問

Q. 辞めたいと思うのは、甘えですか?

甘えと決めつける材料はありません。日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」では、正規雇用看護職員の離職率が11.3%(2023年度)と報告されており、離職は特別なことではありません。気持ちの強さより、何がつらいのかを分けて見ることが判断の助けになります。

Q. 辞めるか続けるか、決める目安はありますか?

目安は、つらさの中心が職場の中で変えられるものか、そうでないかです。異動や夜勤の相談で動く可能性があるなら、まず試す手があります。相談しても改善しない、あるいは相談できる状況にない場合は、環境を変える選択が視野に入ります。

Q. 上司に相談しにくいときは、どうすればよいですか?

職場の中で話しにくい場合は、外の窓口があります。厚生労働省の総合労働相談コーナーは、予約不要で、無料で利用できます。職場に近すぎない第三者に話すと、考えが整理されることがあります。

Q. 心身の不調があるとき、決断はいつすればよいですか?

決断の時期は、私たちからは示せません。厚生労働省「こころの耳」は、うつ病を症状が2週間以上継続して社会生活が困難になる状態と説明しています。気がかりな状態が続くなら、先に医師など専門家に相談し、結論はその後でも遅くありません。

Q. 資格を活かして、病棟以外で働けますか?

働けます。訪問看護、老健・特養・グループホーム、クリニック、健診センターなど、看護師の資格を使う職場はいくつもあります。どこが合うかは、つらさの中心が人間関係か、夜勤か、両立かによって変わります。

まとめ:決める前に、つらさを分けて眺める

「辞めたい」という気持ちは、弱さの証拠ではありません。続けるか変えるかは、つらさの中心を見極めたうえで選べばよく、どちらかが正解と決まっているわけでもありません。

職場の中で動かせるものがあるなら、まず試す。動かせないなら、環境を変える。この目安に沿って、ご自身の状況を当てはめてみてください。心身がつらいときは、決断より先に相談窓口や専門家を使って構いません。

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この記事の監修者
株式会社じょいなす 代表取締役 / 臨床工学技士
元臨床工学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。面談は代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。
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  • 有料職業紹介事業 許可番号:23-ユ-302980
  • 取り扱う職種:看護師
  • 求職者の費用負担:無料(紹介手数料は、採用が決まった医療機関・事業所が負担します)

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、特定の転職先や結果をお約束するものではありません。