「施設で働く看護師って、何をしているの?」
病棟しか経験がない方にとって、老健(介護老人保健施設)や特養(特別養護老人ホーム)での看護師の仕事はイメージしにくいものです。
この記事では、老健・特養それぞれの特徴と仕事内容、病棟との違い、向いている人の特徴を正直に解説します。
老健と特養の違い
まず、老健と特養は目的が異なります。
| 項目 | 老健 | 特養 |
|---|---|---|
| 目的 | 在宅復帰のためのリハビリ | 長期的な生活の場 |
| 入所期間 | 3〜6ヶ月が目安 | 終身(看取りまで) |
| 医師の配置 | 常勤医あり | 非常勤(週数回) |
| 看護師の役割 | 医療処置+リハビリ支援 | 健康管理+看取りケア |
| 医療度 | やや高め | 低め |
看護師の主な仕事内容
老健の場合
日常的な健康管理
バイタルサイン測定、内服管理、インスリン注射、血糖測定など。入所者の体調変化を早期に察知し、医師に報告します。
医療処置
褥瘡の処置、吸引、経管栄養、胃ろう管理など。病棟ほどの急性期処置はありませんが、基本的な医療行為は日常的に行います。
リハビリスタッフとの連携
老健はリハビリ目的の施設なので、PT・OT・STとの連携が重要です。入所者のADL変化を看護の視点で評価し、リハビリ計画に反映させます。
在宅復帰支援
家族への介護指導、退所前カンファレンスへの参加、ケアマネジャーとの連携など。入所者が自宅に戻るための支援を多職種で行います。
特養の場合
日常的な健康管理
バイタルサイン測定、内服管理、皮膚トラブルのケアが中心です。医師が非常勤のため、看護師の判断が重要になります。
急変時の初期対応と判断
夜間や休日に医師がいない場合、看護師が第一判断者になります。救急搬送の判断、家族への連絡、オンコール医師への報告を行います。
看取りケア
特養は終の棲家としての役割を持つため、看取りケアに関わることが多いです。入所者とご家族の意思を尊重し、穏やかな最期を支えます。
介護スタッフとの協働
特養では介護スタッフが大半を占めます。介護スタッフへの医療的な助言や、急変時の対応指導も看護師の重要な役割です。
病棟との違い
| 項目 | 病棟 | 老健・特養 |
|---|---|---|
| 医療度 | 高い | 低め〜中程度 |
| 急変対応 | チームで対応 | 一人で判断する場面あり |
| 業務のペース | 常に忙しい | 計画的に動ける場面が多い |
| 患者との関係 | 短期間(入退院) | 長期間(数ヶ月〜数年) |
| 夜勤 | 2交替・3交替 | 施設による(一人夜勤の場合あり) |
| 残業 | 多い傾向 | 比較的少ない |
正直に伝えるデメリット
一人夜勤がある施設もある
特に特養では、夜間は看護師が一人という体制の施設もあります。急変時の判断を一人で担う場面があるため、入職前に夜間体制を必ず確認してください。
医療スキルが鈍る可能性
点滴や心電図モニター管理など、病棟で日常的に行っていた処置の機会が減ります。数年後に急性期に戻りたいと思った場合、スキル面で不安を感じるかもしれません。
介護業務との境界が曖昧になることがある
人手不足の施設では、看護業務以外の介護業務を求められることがあります。「看護師としての専門性を活かしたい」という方は、業務分担の実態を確認してください。
向いている人
- 入所者さんと長期的な信頼関係を築きたい人
- 業務の流れが見通せる環境で計画的に動きたい人
- 多職種と協力しながらチームで働くことが好きな人
- 看取りケアに関心がある人
まとめ
老健・特養の看護師は、病棟とは違う形で看護の専門性を発揮する仕事です。業務の流れが見通しやすく、入所者さんとじっくり向き合えるのが魅力です。
ただし、一人夜勤やスキル低下のリスクもあるため、施設選びが重要になります。
- 老健はリハビリ支援と在宅復帰、特養は長期ケアと看取り
- 病棟より業務ペースは落ち着くが、判断を一人で担う場面がある
- 施設の夜間体制と業務分担は入職前に必ず確認
自分に合う施設がわからないときは、一人で悩まず相談してみてください。

