夜勤なしで働ける看護師の主な職場は、訪問看護・クリニック(外来)・健診センター・デイサービス・企業の健康管理室の5つです。どこにも夜勤はありませんが、夜勤手当の分だけ収入は下がります。日本看護協会の「2023年 病院看護実態調査」では、二交代制の夜勤手当は1回あたり平均11,368円でした。月4回の夜勤をやめると、この平均で年に約55万円(11,368円×4回×12か月の算式値)です。
この記事でわかること
- 5つの職場の仕事・良い所・負担
- 日勤だけにした時、年収がどれだけ変わるか
- 職場を選ぶ前に確かめたい3つのこと
夜勤なしで働ける看護師の職場はどこ?
5つの職場を、夜間や休日に仕事が残る度合いの順(夜間のオンコール → 土曜の勤務 → 平日の日勤だけ)に並べました。勧める順ではありません。どの職場にも、良い所と負担の両方があります。
| 職場 | 夜間・休日に残るもの | 必ず知っておく負担 |
|---|---|---|
| 訪問看護 | 夜間のオンコール | 急変時の初動を一人で担う |
| クリニック・外来 | 土曜診療が多い | 残業が多い所もある・人間関係に左右されやすい |
| 健診センター | 土曜の健診がある所もある | 給与がかなり低め・キャリアの幅が狭くなりやすい |
| デイサービス | 土曜も営業する所がある | 医療の手技が落ちやすい・給与低め |
| 企業の健康管理室 | 平日の日勤が中心 | 求人数が限りなく少ない |
訪問看護ステーション
仕事:利用者の家を訪ね、病状の観察・医療処置・服薬の管理・家族への助言をします。日中の訪問が中心です。
良い所:一人ひとりの利用者と、時間をかけて関われます。病棟で身につけたアセスメントや処置を使う場面があります。
訪問看護の負担
訪問は原則一人なので、急変時の初動は自分で判断します。夜勤はありませんが、夜間のオンコールがあります。夜間のオンコールは、病棟の夜勤とは違います。自宅で待機し、緊急時に対応する形で、手当が付きます。月の呼び出しの回数はステーションで大きく違うので、面接で実績を確かめます。
クリニック・外来
仕事:診察の補助、採血、注射、検査の介助、患者への説明が中心です。
良い所:入院の患者を受け持たないので、勤務は日中で終わります。決まった処置を繰り返すぶん、手順を早く覚えられます。
クリニック・外来の負担
土曜診療のある所が多く、週休2日でも土曜は出勤という形があります。診療が押すと残業が長くなる所もあります。看護師の人数が少ない職場では、人間関係に左右されやすくなります。「土日休み」「残業なし」は職場によって違うので、求人票と面接で聞いておきます。
健診センター・人間ドック
仕事:問診、採血、心電図、身体測定、保健指導などを担当します。
良い所:予約制で流れが決まっていて、急変に対応する場面は病棟より少なくなります。勤務時間の見通しが立てやすい職場です。
健診センターの負担
給与はかなり低めになりやすく、病棟の手当も無くなるので、年収の下がり幅は大きくなります。医療処置の幅が狭く、後で病棟に戻りたい時にキャリアの幅が狭くなりやすい点も知っておきます。
デイサービス・通所リハビリ
仕事:利用者の体調の確認、服薬の管理、入浴の見守り、体調が変わった時の対応などをします。日中だけの勤務です。
良い所:同じ利用者と継続して関わり、生活の変化を近くで見られます。
デイサービスの負担
医療の手技を使う場面が少なく、技術が落ちやすい職場です。給与は低めです。看護師が1人だけの配置の所では、判断に迷った時の相談相手がその場にいないこともあります。
企業の健康管理室(産業看護)
仕事:社員の健康診断の事後指導、健康相談、メンタルヘルスの対応などをします。
良い所:企業の就業日に合わせた平日の日勤が中心です。
企業の健康管理室の負担
求人数が限りなく少なく、希望してもすぐには見つかりません。私たちは、この職場だけを目指して転職活動をすることは勧めていません。気になる人は情報を集めるにとどめ、ほかの職場と並べて考えてください。
夜勤をやめると、年収はどのくらい下がる?
手当の分だけ下がります。上の調査で、二交代制の夜勤手当(1回あたり)の平均は11,368円でした(定額の夜勤手当を支給する病院・平日・2,644病院)。この平均で年間の手当を計算すると、次のようになります。
| 月の夜勤の回数 | 年間の夜勤手当(算式値) |
|---|---|
| 月4回 | 約55万円(11,368円×4回×12か月) |
| 月8回 | 約109万円(11,368円×8回×12か月) |
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夜勤なしの職場を選ぶ前に、何を確かめる?
年収の下がり幅、手技を使い続けられるか、夜間と休日の扱いの3つです。
- 年収の下がり幅:夜勤手当が無くなる分に加えて、移った先の基本給と賞与を、求人票の金額で今と比べます。
- 手技を使い続けられるか:健診センターやデイサービスでは、病棟で行っていた処置の機会が減ります。いずれ病棟に戻りたいなら、その間に何を続けるかを決めておきます。
- 夜間と休日の扱い:日勤だけの職場でも、オンコールや土曜の勤務がある所があります。「夜勤なし」と「夜も休日も完全に休み」は別のことです。
この比べ方が当てはまらないのはどんな時?
- 今の病院で、日勤だけの部署や外来へ移れる。転職しなくても日勤だけにできることがあります。先に今の職場の制度を調べます。
- 夜勤手当で家計を支えていて、年に数十万円の減り方に耐えられない。職場を選ぶより先に、今の職場で回数を減らす形を探す方が合うことがあります。
- 求人の少ない地域に住んでいる。5つの職場のうち、通える範囲に求人がある所から考えます。
よくある質問
Q. 夜勤なしにすると年収はどのくらい下がる?
二交代制の夜勤手当(1回あたり)の平均は11,368円です(日本看護協会「2023年 病院看護実態調査」)。月4回の夜勤をやめると、この平均で年に約55万円(算式値)下がります。病院によって額や支給の仕組みは違うので、自分の給与明細で計算し直します。
Q. オンコールは夜勤と何が違う?
待つ場所と働き方が違います。夜勤は病院で朝まで働く勤務です。オンコールは家で待機し、利用者や家族から連絡があった時に、電話で助言したり訪問したりします。待機の当番には手当が付きます。呼び出しの回数はステーションで大きく違うので、面接で月の実績を聞いてください。
Q. 夜勤を続けると体にどんな影響がある?
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、交替制勤務をしている人の心血管系疾患の発症リスクが、していない人の1.15倍だったという報告を紹介しています。続ける場合、同じガイドは夜勤中の20〜50分の仮眠で眠気や疲れが和らいだという報告も紹介しています。
Q. 夜勤なしで、病棟の手技を使い続けられる職場は?
使う場面が多いのは、訪問看護とクリニック・外来です。訪問看護は処置の幅が広い代わりにオンコールがあり、クリニックは処置の種類が限られる代わりに夜間の対応がありません。健診センターとデイサービスでは、処置の機会が減ります。
Q. 転職しないで夜勤をやめる方法はある?
病院によっては、日勤だけの部署や外来へ異動できることがあります。子育てや介護、体調を理由に夜勤を外す制度を設けている病院もあります。まず今の職場の就業規則を確かめ、上司に相談します。
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