看護師3年目で転職は早い?ベストなタイミングと注意点

看護師3年目の転職が早いかどうかは、年数では決まりません。判断の軸は「3年で何を経験したか」と「次の職場で何をしたいか」の二つです。

日本看護協会の病院看護実態調査(2024年)では、2023年度の正規雇用看護職員の離職率は11.3%、新卒採用者の離職率は8.8%でした。ただし、この二つは病院看護職員全体と新卒者の数字です。3年目に限った離職率や、3年目の転職が不利になるかどうかの数字は、私たちは確認できていません。数字で白黒をつけるより、自分の状況に当てはめて考える方が確かです。

この記事では、続ける道も含めて、3年目の判断の材料を並べます。転職を勧める記事ではありません。

「3年は続けないと」は本当?

「3年は続けないと」に、数字の裏付けは見つかりませんでした。3年という区切りが意味を持つかどうかは、その3年に何を経験したかで変わります。

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1年目から退院支援まで任される病棟もあれば、3年目でも同じ業務の繰り返しという職場もあります。急変対応、多職種との調整、後輩への指導のうち、どこまで経験したかを振り返る方が、年数を数えるより実態に近づきます。

離職率の数字も、判断の材料にはなっても結論にはなりません。日本看護協会の病院看護実態調査(2023年)では、2022年度の正規雇用看護職員の離職率は11.8%、新卒採用者は10.2%でした。厚生労働省の雇用動向調査(令和4年)では、全産業の離職率が15.0%です。調査の対象も算出の方法も違うため、単純には比べられません。いずれも3年目に限った数字ではありません。

出典は、日本看護協会「2023年 病院看護実態調査」、同「2024年 病院看護実態調査」、厚生労働省「令和4年 雇用動向調査」です。

3年目で転職すると、何が変わる?

変わるのは、職場の選択肢と、次の職場での立ち位置です。同時に、今の職場でしか積めない経験を手放すことにもなります。どちらが大きいかは人によって違います。

転職で広がるもの

応募条件に経験年数が書かれている求人があります。3年間の臨床経験が、応募の入り口になる場合があります。訪問看護、老健・特養、クリニック、健診・デイなど、病棟の外にも選択肢があります。どの職場が自分に合うかは、働き方の希望で決まります。

面接では、3年間の経験を具体的に語れることが土台になります。アセスメントの場面、急変時に自分が動いたこと、他職種と調整した経験を、一つずつ書き出しておくと整理が進みます。

転職で気をつけたいこと

リーダー業務を始めたばかり、またはまだ経験していない時期です。リーダー経験を応募条件や評価の軸にしている職場では、その点を問われる可能性があります。

1年目、2年目にも転職歴がある場合、面接で転職の理由を重ねて聞かれる場面が想定されます。「何が合わなかったか」だけでなく「次の職場で何を実現したいか」を、自分の言葉で話せるようにしておくことが大切です。

専門看護師や認定看護師を目指す場合は、年数の要件があります。日本看護協会の資料では、専門看護師は看護系大学院修士課程の修了に加え、実務研修が通算5年以上(うち3年以上は専門看護分野)、認定看護師は実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野)とされています。認定看護師の要件(日本看護協会)と専門看護師の要件(同)を確かめたうえで、転職先の分野が実務の年数に数えられるかを確認してください。

転職しないなら、どんな選択肢がある?

続ける選択肢は、同じ職場で働き方や役割を変えることです。転職だけが答えではありません。

  • 部署や担当を変えられるか、上司や看護部に相談する
  • 夜勤の回数や勤務の形を変えられるか、就業規則と制度を確認する
  • 院内の研修やラダーで、次に身につける力を決める

日本看護協会の研修分類には、JNAラダーのレベルⅠ〜Ⅴがあります。日本看護協会の資料には、年次とレベルの対応は書かれていません。3年目だからこのレベル、とは言えないので、自分の施設のラダーで今どこにいるかを見る方が確実です。参考: JNAラダー(日本看護協会)。

転職を決めていなくても、求人を見たり、相談したりすることはできます。情報を集めることと、辞めると決めることは別です。

転職するなら、時期と転職先はどう考える?

時期は、退職の手続きと入職の時期を逆算して決めます。転職先は、働き方の希望から絞ります。

時期

退職の申し出の時期や、ボーナスの支給条件は、職場の就業規則で決まっています。次の三つを確かめてから動くと、後で慌てません。

  • 退職を申し出る期限(就業規則)
  • ボーナスの支給対象になる在籍日
  • 残っている有給休暇の日数

年度の区切りで入職したい場合は、そこから逆算して応募の時期を決めます。求人の出る時期や競争の度合いは職場や地域で変わるため、時期の一般論に頼らず、気になる職場の募集要項を確かめてください。

転職先

3年の病棟経験を活かせる場として、次のような職場があります。優劣ではなく、働き方の違いとして、夜間の当番がある職場から順に並べます。どこにも、先に知っておきたい負担があります。

  • 訪問看護: 利用者さんの自宅を訪ねる働き方です。急変時の初動を一人で担う場面があり、夜間はオンコール(自宅で待機し、緊急時に対応する当番)があります。月の呼び出しの回数は、面接で実績を確かめます
  • 老健・特養: 長期的に利用者さんと関わる職場です。一人夜勤など、判断を一人で担う場面があります。夜勤の人数や回数を確かめます
  • クリニック: 外来中心で、診療科によって仕事の内容が変わります。土曜診療のある院や残業が多い院もあり、少人数のぶん人間関係に左右されやすくなります
  • 健診・デイ: 健診センターは給与が低めで、キャリアの幅が狭くなりやすい職場です。デイサービスは医療の手技が落ちやすく、給与も低めです

どの業態にも、職場によって差があります。業態の名前だけで決めず、見学や面談で、勤務の形、教育の体制、夜勤や緊急対応の有無を確かめてください。収入の見通しは、末尾の関連記事で整理しています。

この目安が当てはまらないのはどんな人?

この記事の考え方は、「経験の中身で判断する」ことです。次のような状況では、年数や経験の中身より先に考えることがあります。

  • 奨学金の返還免除や、お礼奉公のように、勤務の年数が契約で決まっている
  • 心身の不調が続いている、またはハラスメントを受けている
  • 家族の事情や引っ越しで、通える範囲や勤務の形が変わる
  • 今の職場に、続けたいと思える理由がはっきりある

奨学金などの返還条件は、契約書で決まっています。転職の前に、勤務の年数と返還の条件を確かめてください。詳しくは看護師の奨学金返還の記事で整理しています。

心身の不調が続くときは、年数の目安より先に、産業医や医療機関に相談してください。ハラスメントが理由の場合は、一人で抱えず、社内外の相談窓口に相談してください。

家族の事情や、続けたい理由がある場合は、そちらを優先して構いません。この記事の目安は、あくまで判断の材料の一つです。

よくある質問

Q. 3年目で転職すると、「すぐ辞める人」と見られますか?

見られ方は職場によって違い、3年目だから一律にそう見られるとは言えません。面接で問われやすいのは、転職の理由と、次の職場でやりたいことです。この二つを自分の言葉で説明できるようにしておいてください。

Q. 3年目で、これまでと違う分野に移れますか?

分野や職場によって、応募条件が異なります。経験年数や必要な経験が募集要項に書かれているので、気になる求人ごとに確認してください。条件が合うかどうか迷う場合は、問い合わせて確かめることもできます。

Q. 転職活動を始めたら、すぐ辞めなければなりませんか?

いいえ。求人を見ることや相談することは、退職を決めることとは別です。情報を集めたうえで、続けるか変えるかを決めて構いません。

Q. 続ける場合、何を決めておくとよいですか?

次の1年で身につけたいことと、働き方で変えたいことを、それぞれ一つずつ決めておくと整理しやすくなります。部署の異動、夜勤の回数、研修の受講などを、上司や看護部に相談できるか確認してください。

Q. ボーナスをもらってから辞める方がよいですか?

支給の条件は職場の就業規則で決まっています。支給対象になる在籍日と、退職を申し出る期限を確かめてから、退職日を決めてください。

Q. 専門看護師・認定看護師を目指す場合、転職は不利ですか?

不利になるかどうかは、転職先の分野で変わります。日本看護協会の要件は、専門看護師も認定看護師も、実務研修が通算5年以上(うち3年以上は該当分野)です。転職先の仕事が、その分野の実務に数えられるかを、先に確認してください。

まとめ

3年目の転職は、早いか遅いかではなく、自分の経験と希望に合うかどうかで決めるものです。続ける道も、転職する道も、どちらも選べます。

迷うときは、3年間に何を経験したか、次の職場で何をしたいか、今の職場で変えられることは何かの三つを書き出してみてください。奨学金の条件や体調など、年数より先に確かめることがある場合は、そちらから整理します。

一人で考え込まず、相談してみたいときは、with Nursing の LINE 相談をご利用ください。これまでの経験の整理をお手伝いしています。応募する求人が決まったら、面接の準備や書類の見直し、条件の相談も一緒に進めます。無理に転職を勧めることはありません。続けるか変えるかを考えるところからでも大丈夫です。

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この記事の監修者
株式会社じょいなす 代表取締役 / 臨床工学技士
元臨床工学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。面談は代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。
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  • 有料職業紹介事業 許可番号:23-ユ-302980
  • 取り扱う職種:看護師
  • 求職者の費用負担:無料(紹介手数料は、採用が決まった医療機関・事業所が負担します)

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、特定の転職先や結果をお約束するものではありません。