訪問看護のオンコールは、勤務時間外に自宅で待機し、利用者さんやご家族からの緊急の連絡に対応する当番です。夜間のオンコールは、病棟の夜勤とは違います。自宅で待機し、緊急時に対応する形で、手当が付きます。
当番の回数、実際に呼び出される回数、手当の額は、ステーションごとに大きく違います。月にどれだけ呼び出しがあったかは、面接で実績を確かめるのが確実です。この記事では、相場の数字ではなく、オンコールの仕組みと、入職前に何をどう聞けばよいかを整理します。
オンコールは、病棟の夜勤と何が違う?
違うのは、過ごす場所と時間の使い方です。夜勤は病院の中で決まった時間働きますが、オンコールは自宅で過ごしながら電話を待ち、連絡が来たときに対応します。
呼び出しがなければ、その夜は自宅で食事をとり、眠れます。ただし、当番の間は電話にすぐ出られ、訪問が必要になれば利用者さんの家へ向かえる状態でいることが前提です。当番中に出かけてよい範囲や過ごし方の決まりは、職場によって違います。
病棟から移る人にとっては、夜勤手当が付かなくなり、代わりにオンコールの手当が付くという収入の形の変化もあります。
当番と呼び出しの回数は、何で決まる?
当番の回数は、当番を回すスタッフの人数と、当番の決め方で決まります。呼び出しの回数は、そのステーションが受け持つ利用者さんの状態で変わります。
スタッフが少ないステーションでは、一人に回ってくる当番が増えやすくなります。交代制で全員が回すのか、一部の人が担うのかでも負担は違います。
呼び出しは、終末期の利用者さんを多く受け持っている時期には増えることがあります。同じステーションでも時期で変わるので、1か月だけの数字で判断せず、数か月分の実績を聞くと実態がつかめます。
オンコールの手当は、どう決まる?
手当の有無と額は、ステーションの給与規定で決まります。全国で一律の相場はないため、求人票と面接で中身を確かめます。
手当には、当番として待機したことに付く手当(待機手当)と、実際に訪問したときに付く手当(出動手当)があります。片方だけのステーションもあるので、両方の有無と額を聞きます。夜中に訪問した時間が残業代として払われるのか、手当に含まれるのかも、あわせて聞いておくと、月の収入を自分で見積もれます。
今の給与明細で夜勤手当の欄を見て、求人票の待機手当・出動手当と並べると、移った後の収入の変化を自分の数字で比べられます。
電話が鳴ったら、どう動く?
電話で状態を聞き取り、電話の助言で済むか、訪問が必要かを判断します。流れは次のとおりです。
- 利用者さんやご家族からの電話を受け、症状と経過を聞き取る
- 聞き取った内容から状態を判断し、自宅でできる対応を伝える
- 電話だけでは対応できないと判断したら、利用者さんの家を訪問する
- 対応した内容を記録し、翌日にチームへ共有する
判断に迷ったときに、管理者や経験のある先輩へ電話で相談できる体制があるかどうかで、当番の重さは変わります。
訪問看護のオンコールで、負担になりやすいことは?
訪問看護では、急変時の初動を一人で担う場面があります。電話の向こうの様子だけで判断し、夜間に一人で訪問することもあります。病棟のように、隣に相談できる同僚がいるわけではありません。
当番の夜は、電話に備えて過ごし方を合わせることになります。家族の予定や自分の用事を入れにくい日が月に何日かある、と考えておくと、入ってからの食い違いが減ります。
この負担の重さは、当番の回数、相談できる体制、研修の有無で変わります。入職してすぐには当番に入らず、同行訪問や研修の期間を設けているステーションもあります。
この目安が当てはまらないのはどんな人?
ここまでの話は、当番を他のスタッフと同じように担うことを前提にしています。次のような事情があると、そのまま当てはまりません。
- 子育てや介護で、夜間に家を空けられない。オンコールの免除や回数の調整を設けているステーションがあるので、制度の有無を先に聞きます
- 訪問看護が初めてで、一人での判断に慣れていない。当番に入る時期と、それまでの研修の中身が判断の材料になります
- 小規模のステーションを考えている。当番を回す人数が少ないため、当番の回数を最初に確かめます
どれにも当てはまる場合は、オンコールの条件を最優先にして求人を絞るほうが、入ってから無理が出にくくなります。
よくある質問
Q. オンコールの当番の日に、お酒を飲んだり遠出したりできますか?
決まりはステーションごとに違います。電話にすぐ出られて、必要なら訪問に向かえることが当番の前提なので、飲酒や外出の範囲がどう決められているかを面接で聞いてください。
Q. 呼び出しが多いステーションかどうかは、どう見分けますか?
求人票だけでは分かりません。面接で「直近の数か月で、当番1回あたり何回くらい電話があり、そのうち何回訪問したか」を聞くと、具体的な答えが返ってきます。答えがはっきりしない場合は、記録を取っているかどうかも聞いてみてください。
Q. 病棟から移ると、収入はどう変わりますか?
夜勤手当がなくなり、オンコールの手当が付きます。差がどれだけになるかは、今の夜勤の回数と、移る先の手当の規定で決まります。看護師の給与の比べ方も参考にしてください。
Q. 経験が浅くても、オンコールを担当しますか?
当番に入る時期はステーションが決めます。入職から一定の期間は担当しない、同行訪問を済ませてから入る、といった決まりを設けている職場もあります。何か月目から入るのかを聞いておくと安心です。
Q. 子育て中でも、オンコールを担当しなければいけませんか?
職場によります。免除の制度や、回数を減らす調整をしているステーションもあります。制度がある場合も、使っている人が実際にいるかまで聞くと、入ってからの食い違いを防げます。
まとめ
オンコールは、自宅で待機して緊急時に対応する当番で、病棟の夜勤とは働き方が違います。負担の重さを決めるのは、当番の回数、呼び出しの回数、相談できる体制、手当の規定の4つです。
どれも職場ごとに違うので、記事の一般論ではなく、面接で聞いた実績で判断してください。オンコールを受け入れられるかどうかを決めるのは、あなた自身です。
with Nursing のLINE相談では、私たちがオンコールの回数や手当、働き方の希望を整理するところからお手伝いします。応募する求人が決まったら、面接で聞くことの準備も一緒に進めます。無理に転職を勧めることはありません。

