助産師でもキャリアに迷う|保育園に転職して気づいたこと

※ この記事は、with Nursingの転職相談を利用された方の事例をもとに、個人が特定されない形で構成しています。

目次

プロフィール

項目 内容
年代 30代前半
資格 看護師・助産師
前職 総合病院 NICU・産科病棟(7年)
現職 企業主導型保育園(看護師枠)
年収変化 約520万円 → 約390万円

「子どもに関わる仕事がしたい」で飛び出した

NICUで7年。超低出生体重児の呼吸管理、両親への退院指導、急変対応。働きながら助産師資格も取った。

やりがいはあった。でも月8回の夜勤と、慢性的な人手不足に身体が限界だった。「もう病棟は無理かもしれない」と思ったとき、頭に浮かんだのが保育園だった。

子どもが好き。NICUで新生児を見てきた経験も活かせるはず。そう考えて、企業主導型保育園の看護師枠に応募した。内定が出たのは1週間後。退職を決めるまで、合計3週間。振り返ると、あまりに速かった。

保育園で待っていた現実

入職してすぐ気づいた。保育園の看護師は「看護」をする場面がほとんどない。

業務の8割は保育補助。おむつ替え、食事介助、午睡の見守り。体調不良児の対応はあるが、NICUで培ったアセスメントが必要な場面はまずない。月に1回の健康便りの作成と、嘱託医との連絡調整。それが「看護師らしい仕事」のすべてだった。

年収は130万円下がった。夜勤手当がなくなった分だけでなく、そもそもの基本給が低い。賞与も1ヶ月分。助産師資格の手当はゼロ。

半年が過ぎた頃、「これは転職じゃなくて、ただの逃避だったんじゃないか」と思い始めた。

面談で見えた「整理しないまま動いた」という問題

with Nursingに相談に来たとき、Sさんは「次こそ失敗したくない」と話していた。

面談で確認したのは、前回の転職で何を手放して、何を得たかったのかという点だった。

Sさんが病棟を辞めたかった理由は「夜勤と人手不足」。保育園を選んだ理由は「子どもに関われるから」。でも、辞めたい理由と、次にやりたいことが別の軸で動いていた。夜勤から離れたかっただけなら、日勤の選択肢は他にもある。子どもに関わりたいなら、保育補助ではなく医療的ケアで関わる道がある。

「助産師資格があるから大丈夫」という安心感が、立ち止まって考える時間を奪っていた。資格は選択肢を広げるが、選択肢を選ぶ基準にはならない。

小児訪問看護という選択肢

面談の中で提案したのが、小児訪問看護だった。

医療的ケア児の在宅支援は、NICUの退院支援と地続きの仕事だ。呼吸器管理、経管栄養、発達評価。Sさんが7年かけて積んだスキルがそのまま活きる。保育園では使えなかった能力が、ここでは求められる。

ただし、訪問看護には訪問看護の厳しさがある。

判断は基本的に一人。利用者宅で急変が起きたとき、隣にドクターはいない。電話で相談はできるが、初動は自分で動く。小児の場合、家族の不安も大きく、コミュニケーションの負荷は病棟以上になることもある。夜間オンコールがあるステーションも多い。自宅待機しながら緊急時に対応する形で、対応が発生しない夜もあるが、精神的な拘束感はゼロではない。

それでも、Sさんの場合は「NICUで培った判断力を使える場所で働きたい」という軸が明確になったことで、訪問看護のデメリットを受け入れる覚悟ができた。

「資格があれば安心」は幻想だった

Sさんは現在、小児対応のある訪問看護ステーションで働いている。

この事例で伝えたいのは、資格や経験が「何でもできる」という万能感を生み、それが判断を鈍らせることがあるということだ。助産師という希少資格を持っていても、自分が何をしたいのかを整理しないまま動けば、同じ失敗を繰り返す。

転職で失敗する人に共通するのは、「辞めたい理由」と「次にやりたいこと」を分けて考えていないこと。辞めたい気持ちが強いほど、目の前の求人に飛びつきやすくなる。

「何から整理すればいいかわからない」という人は、一度立ち止まって話してみてほしい。with Nursingでは、LINEで気軽に相談を受け付けている。

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よくある質問

Q: 助産師資格があれば転職は有利?

助産師資格は選択肢を広げるが、「何をしたいか」が整理できていないと活かせない。NICU経験+助産師資格が最も評価されるのは、小児訪問看護や周産期クリニックの領域だ。

Q: 保育園看護師の年収はどのくらい?

企業主導型保育園の看護師枠で年収350〜420万円が相場。病棟と比べて100万円以上下がるケースが多い。夜勤手当がなくなることに加え、基本給自体が低く設定されている。

Q: 転職先を決める前にやるべきことは?

「辞めたい理由」と「次にやりたいこと」を分けて書き出す。この2つが別の軸で動いている場合、同じ失敗を繰り返すリスクが高い。with Nursingの面談ではこの整理から始める。

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この記事の監修者
株式会社じょいなす 代表取締役 / 臨床工学技士
元臨床工 学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。年間300人以上の面談を 代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。
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