※ この記事は、with Nursingの転職相談を利用された方の事例をもとに、個人が特定されない形で構成しています。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年代 | 30代後半 |
| 看護師歴 | 12年(公立病院→施設→総合病院→派遣→夜勤専従) |
| 前職 | 民間病院・夜勤専従(約1年) |
| 転職検討理由 | 職場の陰口・人間関係の悪化 |
「看護の仕事は好き。でも、人が無理になった」
夜勤明けのロッカールームで、自分の名前がひそひそ話に混じっているのが聞こえた。
12年目。公立病院から始まり、施設、総合病院、派遣と渡り歩いてきた。今の民間病院には夜勤専従で入って約1年。仕事自体に不満はない。夜勤手当は月に8万円ほど上乗せされるし、委員会も研修もない。日勤帯のややこしい人間関係に巻き込まれずに済む——はずだった。
実際には違った。夜勤メンバーは固定されやすく、合わない相手とも毎回顔を合わせる。少人数だから逃げ場がない。陰口が常態化している病棟では、夜勤専従のほうがむしろ孤立する。
「もう辞めたい」。相談の入り口はそこだった。
面談で出てきた「本当の問題」
人間関係がつらい。それは事実だろう。でも、面談で話を聞いていくうちに、別の問題が浮かんできた。
夜勤専従という働き方そのものの構造的なリスクだ。
まず、昇給がほぼない。夜勤専従は基本給が低く設定されていることが多く、手当込みで月収が高く見えても、ベースアップの対象から外れやすい。退職金の積立もリセットされている。12年間で4回以上転職しているため、まとまった退職金はどこにも残っていなかった。
次に、キャリアの行き止まり。夜勤専従は管理職にもリーダーにもなれない。委員会がないのは楽だが、それは「組織から育成対象と見なされていない」ということでもある。
そして最も見落とされがちなのが、病床数の減少。厚生労働省の地域医療構想では、2025年以降も急性期病床の削減が進む。夜勤専従のポスト自体が減っていく。40代後半になってから「夜勤専従の募集がない」と気づいても遅い。
身体面のリスクもある。12年間の不規則な生活リズムは、じわじわと効いてくる。今は平気でも、5年後に同じペースで働ける保証はない。
派遣という選択肢のリスク
これまでの経歴には派遣や応援ナースの期間が含まれていた。高時給で全国を回れる自由さがある一方、雇用の不安定さ、社会保険の断絶、退職金ゼロという代償がつく。30代後半以降にこの働き方を続けると、キャリアの空白が広がるだけでなく、正規雇用への復帰が年々難しくなる。
本人も「派遣はもういい」と話していた。短期間で環境を変えられる便利さの裏に、積み上がらない不安があったのだろう。
訪問看護という提案
面談では、訪問看護を一つの選択肢として提示した。
夜勤専従を選んできた理由——「少人数で働きたい」「自分のペースで判断したい」「委員会や派閥から離れたい」。これらの条件は、実は訪問看護と相性がいい。日中の訪問が基本で、利用者宅では一人で対応する。病棟特有の人間関係のストレスからは距離を取れる。
ただし、訪問看護にも覚悟がいる。急変時は一人で初動対応しなければならない。夜間オンコールがあるステーションも多い。12年の臨床経験があれば技術的には対応できるが、「一人で判断する重さ」は病棟とはまったく別物だ。
それでも、キャリアとして積み上がる。管理者やリーダーへの道がある。退職金も積み立てられる。何より、看護の仕事が好きだという気持ちを、長く続けられる形に変えられる。
人間関係の不満は「入口」にすぎない
陰口がつらい、もう辞めたい。その気持ちは本物だと思う。
でも、職場を変えるだけでは同じことが起きる可能性がある。夜勤専従という働き方を続ける限り、少人数の閉じた環境で人間関係に悩むリスクは消えない。
本当に考えるべきは、「この働き方を10年後も続けられるか」。収入も、キャリアも、身体も。答えがNoなら、今が動くタイミングかもしれない。
「夜勤専従しか考えていなかったけど、他の選択肢も聞いてみたい」——そんな方は、with Nursingの無料相談で一度話してみてください。
よくある質問
Q: 夜勤専従の看護師に昇給はある?
夜勤専従は基本給が低く設定されていることが多く、ベースアップの対象から外れやすい。手当込みで月収は高く見えるが、10年続けても基本給はほぼ横ばいのケースがある。
Q: 夜勤専従から訪問看護に転職できる?
12年以上の臨床経験があれば、訪問看護ステーションでは即戦力として評価される。夜勤専従で培った「少人数で判断する力」は訪問看護と相性がいい。
Q: 病床数が減ると夜勤専従の仕事はなくなる?
厚生労働省の地域医療構想では急性期病床の削減が進んでおり、夜勤専従のポスト自体が減少傾向にある。40代後半で「募集がない」と気づいてからでは選択肢が狭まる。

