35歳で病院を辞めた|フィールドナース不採用からの方向転換

※ この記事は、with Nursingの転職相談を利用された方の事例をもとに、個人が特定されない形で構成しています。

目次

プロフィール

項目 内容
年代 30代半ば
前職 総合病院(地域包括ケア病棟・急性期内科/7年)
現在 離職中・転職活動中
前職年収 約520万円(夜勤手当込み)
希望条件 日勤のみ・年収400万円以上・ライフスタイルの変化に対応できる柔軟性

夜勤が限界になった、というだけの話

7年間、同じ病院で働いた。地域包括ケア病棟と急性期内科を行き来しながら、月8回の夜勤をこなしてきた。

30代に入ってから、夜勤明けの回復が遅くなった。20代のころは仮眠なしでも翌日動けたのに、今は夜勤の翌々日まで体が重い。食欲が乱れ、肌も荒れる。「あと10年、このペースで持つか?」。答えは出ていた。持たない。

退職の理由はそれだけだった。人間関係も待遇も悪くなかった。ただ、夜勤が体に合わなくなった。

「病院以外」への漠然とした期待

辞めると決めてから、医療機器メーカーのフィールドナース求人を見つけた。日勤ベース、年収500万円台、病院の外で働ける。急性期の知識が活かせるという募集文に惹かれた。

書類は通った。一次面接も通過。最終面接で不採用。

理由のフィードバックはなかったが、面談で振り返って気づいたことがある。フィールドナースの仕事は手術立ち会いや機器説明を含む営業職だ。「看護の延長」ではなく「医療知識のある営業」。出張も多く、車の運転は必須。平均在職年数も短い。自分が描いていた「病院以外で看護師の経験を活かす」というイメージとは、かなりズレがあった。

企業看護師という選択肢の現実

不採用後、次に調べたのが企業保健師と美容クリニック。どちらも「病院以外」の代表格として転職サイトに出てくる。

結論から言うと、どちらも今回のケースでは候補にならなかった。

企業保健師は求人数が限りなく少ない。大手企業の産業保健師ポストは1社に1〜2名、欠員が出ない限り募集されない。転職エージェントに「待ちリスト」を登録しても、1年以上連絡がないケースも珍しくない。「企業で働きたい」と思っても、その椅子がほとんど存在しないのが現実だ。

美容看護にも落とし穴がある。美容クリニックでの経験は、一般病院や訪問看護ステーションで「臨床経験」としてカウントされない。つまり、美容に行ったあと一般病院や訪問看護に戻ろうとしたとき、経験年数がリセットされるリスクがある。美容看護師の平均退職年齢は32〜34歳というデータもあり、長く続けられる職種とは言い切れない。

30代半ばで、結婚するか独身でいくかも決めていない。そんな状態で「戻れなくなる選択肢」を取るのは危険だった。

面談で出てきた訪問看護という道

面談で状況を整理した結果、最も合致したのが訪問看護だった。

日勤ベースで年収400〜480万円が相場。急性期の臨床経験7年は、訪問看護ステーションでは即戦力として評価される。フィジカルアセスメント、急変時の初期対応、多職種連携――病棟で積んできたスキルがそのまま使える。

ライフスタイルの変化にも対応しやすい。常勤からパートへの切り替え、時短勤務の交渉、ステーション間の異動。病棟勤務よりも柔軟な働き方が組みやすい構造になっている。

ただし、いいことばかりではない。

訪問先では判断を一人で担う。急変時の初動は自分しかいない。夜間オンコールがあるステーションも多く、「夜勤がない=夜に呼ばれない」ではない。オンコール当番の日は自宅待機で、実際に出動が発生する夜もある。手当は支給されるが、精神的な負荷はゼロにはならない。

それでも、病棟夜勤の身体的な消耗とオンコール待機は質が違う。ここを理解したうえで選べるなら、30代半ばからの10年を預けられる選択肢だと判断した。

「病院以外」は、調べてから動く

この事例で見えたのは、「病院以外で働きたい」という気持ちだけで動くと、選択肢を狭めるということ。フィールドナースも企業保健師も美容看護も、名前の響きと実態には距離がある。

7年分の臨床力は、使い方を間違えなければ大きな武器になる。どこで使うかを決めるために、まず実態を知ること。それが、この面談で一番伝えたかったことだ。


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よくある質問

Q: フィールドナースの仕事内容は?

医療機器メーカーで手術立ち会いや機器説明を行う営業職。「看護の延長」ではなく「医療知識のある営業」が実態で、出張・車の運転が必須。平均在職年数は短い。

Q: 企業保健師の求人は本当に少ない?

大手企業の産業保健師ポストは1社に1〜2名で、欠員が出ない限り募集されない。転職エージェントに登録しても1年以上連絡がないケースも珍しくない。

Q: 美容看護師の経験は臨床経験になる?

美容クリニックでの経験は、一般病院や訪問看護ステーションで「臨床経験」としてカウントされないことが多い。美容看護師の平均退職年齢は32〜34歳というデータもある。

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この記事の監修者
株式会社じょいなす 代表取締役 / 臨床工学技士
元臨床工 学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。年間300人以上の面談を 代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。
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