福岡で働く看護師のリアル|給与・家賃・子育てのバランス

天神でランチを食べて800円。博多駅まで地下鉄15分。保育園の空きもある――。

福岡に転職した元東京勤務の看護師が最初に驚くのは、「生活のゆとり」の違いだ。額面の年収は東京より50万円ほど下がる。それでも手元に残るお金は変わらない、むしろ増えるケースがある。数字で確かめてみる。

目次

福岡の看護師、年収のリアルライン

福岡県の看護師の平均年収は約456万円(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」)。全国平均の約508万円を下回り、東京都の約520万円とは60万円以上の開きがある。

ただし、勤務先によってばらつきは大きい。

勤務先タイプ 年収目安
九州大学病院・福岡大学病院など大学病院 480〜540万円
中規模病院(200〜400床) 420〜480万円
クリニック 350〜420万円
訪問看護ステーション 400〜470万円

九大病院は九州最大の特定機能病院。がん看護や救急の専門性を磨きたいなら有力な選択肢になる。久留米大学病院も高度急性期に強く、久留米市は家賃がさらに安い。

東京との可処分所得比較――逆転が起きる理由

額面では東京が上。しかし手元に残るお金で比べると景色が変わる。

20代後半・病棟勤務・夜勤月5回・単身で試算した。

項目 東京(23区) 福岡(博多区・中央区)
手取り月収 約24.5万円 約21.5万円
家賃(1K〜1DK) 8.5万円 5.0万円
食費 4.5万円 3.5万円
交通費(自己負担分) 0.5万円 0.3万円
その他生活費 5.0万円 4.5万円
手元に残る金額 約6.0万円 約8.2万円

家賃の差が月3.5万円。年間42万円。これだけで額面差のほとんどを吸収する。食費や交通費の差を加えると、福岡のほうが月2万円以上多く手元に残る計算になる。

東京の看護師のお金事情については「東京で働く看護師のリアル|手取りと生活費のバランス」でくわしく書いた。

エリア別の家賃と通勤事情

福岡の強みは都市がコンパクトなこと。博多駅から天神まで地下鉄6分。通勤に1時間かかることはまずない。

エリア 1LDK家賃相場 特徴
博多区 5.5〜7.0万円 交通の要所。九大病院や福岡赤十字病院へのアクセス良好
中央区(天神周辺) 6.0〜7.5万円 福岡で最も都心。飲食・買い物の利便性が高い
西区・早良区 4.5〜6.0万円 ファミリー向け。子育て環境が整っている。九大伊都キャンパス近隣
久留米市 3.5〜5.0万円 久留米大学病院あり。博多まで新幹線17分・在来線35分

東京23区で1LDKを借りると10〜13万円。福岡なら同じ予算で2LDKに住める。夜勤明けに広い部屋で眠れるかどうかは、地味だけど生活の質に直結する。

子育て環境――待機児童と支援制度

福岡市の待機児童数は2024年4月時点で26人(福岡市発表)。東京23区の合計300人超と比べると桁が違う。西区や早良区では、年度途中の入園でも空きが見つかることがある。

子育て世帯が注目すべきポイントを整理する。

病児保育: 福岡市は病児・病後児保育施設が市内に20か所以上。夜勤シフトのある看護師にとって、子どもの急な発熱でも預け先がある安心感は大きい。

院内保育所を持つ病院も多い。九州医療センター、浜の町病院、福岡大学病院などが代表例。24時間対応の院内保育は、夜勤ありの常勤で働き続けたい人にとって現実的な選択肢になる。

久留米市や北九州市まで視野を広げると、さらに保育の選択肢は増える。看護師が暮らしやすい地域の選び方も参考にしてほしい。

福岡の訪問看護ステーション事情

福岡県の訪問看護ステーション数は約700か所(2024年時点)。人口あたりの数は全国平均を上回る。

高齢化率が高い九州では在宅医療のニーズが伸びている。福岡市内だけでなく、筑豊地域や北九州市でもステーションの新規開設が続いている状況だ。

訪問看護は病棟経験3年以上あれば応募できる求人が多い。オンコール対応はあるものの、日勤ベースで年収400〜470万円。福岡の家賃水準なら、手元に残るお金は病棟夜勤ありの東京勤務と大差ない。

「急性期の経験を活かしたいけど、夜勤はもう厳しい」。そう感じている人には、福岡の訪問看護は検討する価値がある。

福岡転職で気をつけること

いいことばかり書くのはフェアじゃない。注意点も正直に挙げる。

給与水準は東京・大阪より低い。とくにクリニックは年収350万円台のところもある。「額面が下がる」事実は受け入れたうえで、生活費とのバランスで判断する必要がある。

車社会の側面もある。博多区・中央区なら公共交通で十分だが、郊外の病院や施設に通う場合は車が必要になることも。駐車場代は月5,000〜8,000円程度で、東京の3〜5万円とは比較にならないが、車の維持費そのものは考慮に入れておく。

もうひとつ。福岡は看護師の人口あたり数が全国的に多い地域のひとつ。求人倍率は東京ほど高くないので、希望条件が多い場合は早めの情報収集が鍵になる。

地方移住のリアルについては地方移住を考える看護師のための完全ガイドにまとめている。

動くなら、まず情報を集めるところから

福岡は「年収は下がるけど、生活は豊かになる」を最も実現しやすい都市のひとつ。家賃・食費・保育環境、すべてが東京より有利に働く。

ただし、自分に合うエリアや職場を見つけるには、現地の求人事情を知っている人に聞くのが早い。

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この記事の監修者
株式会社じょいなす 代表取締役 / 臨床工学技士
元臨床工 学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。年間300人以上の面談を 代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。
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この記事を書いた人

元臨床工学技士。病院勤務を経て、看護師の転職支援事業を立ち上げ。年間300人以上の面談を代表自ら対応し、一人ひとりのキャリアに向き合っています。

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